022
タフなキッチンのある家&草屋根の家
[イシハラスタイル・大瀧建築]

 

愛知ツアーに全員集合!

股旅社中の会員ビルダー、イシハラスタイルと大瀧建築が企画した愛知ツアーが開催されました。 ほぼ全会員が参加し、予想を上回る総勢30名の大ツアーとなりました。

進化したタフなキッチン

まずはイシハラスタイルの最近の完成邸を見学。見どころは「タフなキッチン」の最新作。タフなキッチンは、イシハラスタイルと境木工、そしてデザイナーの村澤一晃が共同でデザイン開発してきたオリジナルキッチン。 ダイニングやリビングとひとつながりになったオープンキッチンに家具の佇まいを持ったキッチンユニットを置くことで空間の質を高め、豊かな暮らしと時間を生み出すことを目指しています。
以前、鉄のフレームと木製ワークトップを組み合わせたタフなキッチン第1号が完成したときに、全会員で見学する機会がありました。 今回は、その後につくったタフなキッチン・バージョン2とバージョン3がそなわった完成邸を見学させてもらいました。
箱物家具の精度でつくる木製キッチンはそれ自体が見どころたっぷり。加えて、そのキッチンによってプランされた食事とくつろぎの空間からは建て主の考え方やライフスタイルがうかがえ、 それは家全体にも通じています。タフなキッチンは、イシハラスタイルが掲げる「道具のような家づくり」の中心をなすアイテムであり、そういう家を望む建て主と見事に共鳴しているようです。
イシハラスタイルのために、30人もの見学者を快く受け入れてくださったオーナーさんたちは、家づくりの同志という感覚をイシハラスタイルと共有しているのだと思いました。



人の手を感じさせないよう手を尽くす作庭

イシハラスタイルの完成邸見学で、もうひとつの見どころとなったのが庭。イシハラスタイルでは、嘉エ門・都築孝紀氏を作庭のパートナーとして、 手がけるほとんどの家づくりに関わってもらっています。
イシハラスタイルと嘉エ門が作庭のコンセプトとしているのは、「地元」や「自然のまま」を生かすこと。 地元の山に自生していたり原種に近い品種を選び、石材も地元で採れるものを多く使い、自然になじみ、家となじみ、町並みとなじむ庭づくりを心がけています。 また、建て主の以前の住まいや実家にある石や屋根瓦を使ったり、庭の植物を移植することもしばしば。 育った家の思い出や記憶を新しくつくる住まいに継承するためです。
嘉エ門の都築氏は、乱貼りの踏み石を自ら金槌で割ったり、石垣を自分で積み上げたり、できるだけ自然であるために、手間暇を惜しまず手を尽くします。 そういう考えとやり方が、股旅会員の関心を集めました。



大瀧建築プロジェクト始動宣言

大瀧建築は、股旅社中の2期生的なタイミングで新加入した浜松の工務店です。比較的近いイシハラスタイルと村澤一晃のワークショップにしばしば参加してきました。 そんな関係から、今回は愛知ツアーの運営を手伝ってもらい、公開ミーティングでは大瀧建築の家づくりを紹介してくれました。
そこで注目を集めたのが草屋根の家。鉄骨やRCの住宅で屋上に庭を設けることはありますが、木造住宅の切り妻の屋根に土を盛って草で覆うというのはインパクト大でした。
また、大瀧建築は股旅社中入会後にロゴデザインを一新し、ウェブサイトをリニューアルするなど、新しい取り組みの準備を着々と進めています。 そして、大瀧建築の「らしさ」をよりいっそう表していくためのプロジェクトを開始することを宣言しました。ワークショップは、デザイナー中村圭吾と新チームを結成。 これから半年、1年の取り組みに注目です。